金の相場はどう決まる?初心者にもわかる金価格の仕組み

金(ゴールド)は、資産としても人気が高く、価格の変動がニュースなどでも頻繁に取り上げられます。

でも、実際に金の価格がどう決まるのか、その仕組みをしっかり理解している人は意外と少ないかもしれません。

この記事では、円建て金価格の仕組みを中心に、**「金の価格はどのように決まるのか」**を初心者にもわかりやすく解説します。

1. 金の価格はどこで決まるのか?

金の価格は、世界の大きな金市場、特に**ロンドン金市場(LBMA)**などで決まります。

これが「国際金価格」と呼ばれ、世界の金取引の基準になっています。

この価格は通常、「米ドル建て」で表され、「1トロイオンスあたり○○ドル」という形で発表されます。

2. 「トロイオンス」とは?日本のグラムとどう違うの?

トロイオンス(troy ounce)とは?

金や銀、プラチナなどの貴金属は、「トロイオンス(oz t)」という単位で計量されます。

これは中世ヨーロッパで使われ始めた重さの単位で、現在も国際的な金取引の標準単位となっています。

1トロイオンスは何グラム?

1トロイオンス = 約31.1035グラム

日本で馴染みのある「1オンス(常用オンス)」= 約28.35g とは異なるため、注意が必要です。

なぜトロイオンスが使われているのか?

これは、金や銀の取引が古くから行われていたイギリスやヨーロッパの伝統を引き継いでいるためです。

現在でも世界の金市場では、価格表示・取引単位ともにトロイオンスが用いられています。

3. 円建て金価格を決める3つの要因

日本国内で表示される「金価格(円/g)」は、次の3つの要素で構成されています。

① 国際金価格(ドル建て/トロイオンス単位)

世界市場での需給、経済・政治の不安定さ、インフレ懸念などによって上下します。

② 為替レート(ドル円)

金はドル建てで取引されるため、ドル円の為替相場が円建て価格に大きく影響します。

たとえば、同じ金価格でも、円安になると日本円での金価格は上昇します。

③ 国内の需給・手数料

国内の金の流通量や、販売店の手数料も円建て価格に含まれます。

ジュエリー需要や資産保全目的の買いが高まると、価格上昇につながることがあります。

4. 円建て価格の具体的な計算例

仮に以下のような市場環境だったとしましょう。

  • 国際金価格:1トロイオンスあたり3,000ドル
  • 為替レート:1ドル=150円

この場合の1グラムあたりの円建て金価格は、次のように求められます。

3000ドル × 150円 ÷ 31.1035g ≒ 約14468円/g

国内の金価格は、消費税込みの金額で表記されることが多いため、

約14468円/g × 1.1 = ¥15,914.8/g 

つまり「1gあたり15,914円(税込)」が国内の金価格になります。

5. 金価格が変動する主な要因

金は「無国籍な安全資産」とも呼ばれ、以下のような場面で需要が増え、価格が上がる傾向にあります。

  • 世界的な金融不安(金融危機、パンデミックなど)
  • 地政学リスク(戦争、政情不安)
  • 米ドルの価値が下がる局面
  • 中央銀行の金保有政策
  • インフレへの備え(紙幣価値の低下)

6. 金価格の確認方法

毎日の金価格は、以下のような方法でチェック可能です。

  • 田中貴金属工業、石福金属、三菱マテリアルなどの公式サイト
  • 証券会社のマーケット情報
  • 金価格アプリ、投資系ニュースサイト

**買取価格/販売価格の差(スプレッド)**も確認しておくと、実際の売買に役立ちます。

まとめ:金価格の決まり方を知れば売買も安心

金の価格は、
✅「国際金市場のドル建て価格(トロイオンス)」
✅「為替レート(ドル円)
✅「国内の需給・手数料
の3つで決まります。

また、1トロイオンス=約31.1035gであることを知っておくと、国際価格と国内価格の関係もスムーズに理解できます。

価格のしくみを理解することで、「今が買い時?売り時?」の判断がより正確になるでしょう。

まずは日々の金価格を確認する習慣をつけてみてください。