
世界経済の不安定さが増す中、「金(ゴールド)」の価値は改めて注目されています。
ここ数年、金価格は高値圏で推移していますが、これからさらに上昇すると予想する声も多いです。
なぜ金はこれほどまでに支持されるのでしょうか?今回は、その理由を4つの視点から解説します。
1. 中東情勢の不安定化で「安全資産」としての需要が拡大

中東地域では宗教的・政治的対立が根深く、情勢が安定する兆しは見えていません。
緊張が高まるたびに投資家はリスク回避のため、金などの「安全資産」へ資金を移す傾向があります。
実際に過去の紛争や政情不安の際には、金価格が急騰する例が多く見られます。
こうした地政学リスクが続く限り、金への需要は底堅いと言えるでしょう。
2. アジアで根強い宝飾品需要

アジアでは金の宝飾品に対する需要が非常に高いです。
特にインドや中国では、金は「富」や「幸運」を象徴する存在とされ、結婚式や祭事で金の装飾品を贈る文化があります。
この宝飾品需要は、単なるファッションにとどまらず、「家族の財産」として代々受け継がれるケースも多いのが特徴です。
3. 経済成長による中央銀行の金保有増加

東南アジアやインドなど、新興国の経済成長が続いています。
それに伴い、各国の中央銀行は外貨準備の分散化を進めており、金の保有量を増やしています。
特に、ドル一極集中から脱却する動きや、通貨の安定性を確保する目的で金を購入するケースが増えており、これが金価格の下支え要因となっています。
4. 個人投資家の「売りにくい」特性
宝飾品として金を持つ個人は、アクセサリーとして日常的に使用したり、コレクションとして保有したりすることが多いです。
そのため、一度購入した金は「売却されにくい」傾向があります。
これは市場に出回る金の量を限定する要因となり、結果として需給バランスが崩れにくく、価格が下がりにくい構造につながっていると考えます。
まとめ:今後も金価格は堅調推移が期待される
中東の地政学リスク、アジアの強い宝飾品需要、新興国の経済成長、そして個人保有の売却抑制。
これらの要因を総合すると、金価格は今後も堅調に推移し、長期的には上昇していく可能性が高いと考えます。
「守りの資産」としての側面だけでなく、世界中の文化や経済の動きと密接に結びつく金。
投資を検討する際には、その背景にもぜひ注目してみてはいかがでしょうか?